ちょっとずつ形の違う小さな「○」がたくさん集まっただけの、ごくごくシンプルな図案。きっとどこかで目にしたことのある、日本人には馴染み深いこの模様こそが、青森県弘前市の特産品「津軽塗」を代表する模様、「七々子塗」です。
近くで見ると、大きな○や小さい○、細長いのっぽさんや、仲良くつながった双子さんもいて、なんだかとっても賑やか。遠目に眺めてみれば、日常にスッと溶け込みつつも、ほんのりやさしい気分を運んでくれそうな、素朴であるが故の安心感を覚えます。
そんな、暖かくてかわいらしい伝統のデザインと、それを用いたモダンな雑貨が繰り広げる、七々子塗の世界をご堪能ください。
文様の色と地の色の組み合わせで、たくさんのバリエーションが楽しめます。あなたのお気に入りのカラーリングは?
前景色 | |
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背景色 |
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日々の食卓のお供に、飽きの来ない七々子塗の食器を。
丈夫で長持ちの津軽塗だから、安心してお使いいただけます。
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マット仕上げの微粒面カップなら、アウトドアのタフな使用もOK!
ビビッドな色彩が、楽しい時間を盛り上げます。
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おしゃれのアクセントに、七々子塗の和モダンはいかがでしょうか?
本格仕様の京扇子で、エレガントな涼やかさを演出。
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家事や仕事の合間に。親しい人や、大切なお客様のおもてなしに。
七々子塗の紙コップホルダーで、癒しのひとときを。
東に八甲田山系、西に霊峰岩木山を望む、広大で滋味あふれる大地、津軽平野。その中心に位置する青森県弘前市を代表する工芸品、それが『津軽塗』です。
弘前藩第四代藩主津軽信政公(1646~1710年)の治世、産業奨励策の一環として招いた塗師・池田源兵衛の息子・源太郎が、青海太郎左衛門に入門して、一子相伝の秘事「青海波塗」(せいかいはぬり)を伝授され、「青海源兵衛」を名乗ったことに始まるとされています。以来、不断の改良と創造を重ねながら、三百余年に渡る伝統を保ってきました。
製造には膨大な手間がかかり、あまりに丁寧なため、俗に「馬鹿塗」とも称されます。しかし、そうして出来上がった製品は、幾重にも塗り重ねられた漆のため、たいへん丈夫で日常の用に耐え、また、丹念極まりない研ぎ・磨きによって、複雑な文様が美しい艶とともに浮かび上がってきます。
堅牢優美な津軽塗は、日本はもちろん海外でも高く評価され、日本文化の一翼を担う存在として認知されつつあり、新しい時代に対応した製品の開発も、積極的に取り組まれています。
「七々子」は、イクラのような魚の卵に似ていることから「魚々子」とも書きます。そう言われると、なんとなく美味しそうな気もしてくるこの模様、あのかわいらしい「卵」たちは、どうやって産まれてくるのでしょうか? その気になる制作過程をのぞいてみましょう。
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まずは全面に種漆を塗ります。この漆の色は、七々子の「卵」の色になります。
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ここで登場するのが、菜の花の種、つまり、「菜種」。生乾きの漆の上に、菜種を撒きます。
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漆が乾いてから菜種を丁寧に剥ぎ、その上に、今度は地の色となる漆を塗っていきます。
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それも乾いたら、何度も研いで、七々子を浮かび上がらせます。七々子塗の文様は、菜種によるものなのでした。